弥生賞(8日、中山、GII、芝2000メートル)の追い切りで圧巻デモ!! デビュー3連勝中のロジユニヴァースが4日、美浦の坂路で4ハロン47秒9の一番時計を、何と馬なりでマーク。クラシックを狙う関東の3歳馬では記憶にないほどの“超絶”パフォーマンスだ。無敗で弥生賞を勝った馬からは多くのクラシックホースが誕生しており、登竜門レースから目が離せない。
気合のこもった併せ馬とはいえ、手応えはまったくの馬なり。見た目には軽かったロジユニヴァースの最終追い切りだが、モニターに表示された数字は見た者の度肝を抜いた。坂路で4ハロン47秒9。この日の一番時計を軽々とマークして、無敗馬の性能をいかんなく証明してみせた。
「良かったですよ」
横山典弘騎手の第一声はいたってシンプルだが、表情には充足感が漂う。同じ厩舎のトランスワープ(牡4、500万下)の内に併せて、前半から軽快なラップを刻んでの併走。手綱は動かないが、自然と走りのリズムが軽やかになる。上がりも35秒8-12秒6にまとめてのフィニッシュ。文句のつけようがない追い切りだ。クラシックを狙う関東の3歳牡馬が坂路でここまで速い時計を出したことは、今までになかった。まして、萩原清調教師の出した指示は「無理をしないで」というもの。まさしく、スケールの違いと言えるだろう。
「一戦一戦、教えたことを覚えて、いい競馬をしています。馬とボクの信頼関係が築ければいいですね。乗れば乗るほど仲良く走れると思うし、課題もありませんよ」
愛馬に寄せる絶大な信頼から、ノリの舌も滑らかになる。09年はJRA26勝(GII2勝を含む重賞3勝、4日現在)を挙げて全国リーディングを快走するノリが「クラシックにこれだけいい馬で臨めるのは久しぶり」とホレ込む素材。萩原師も「状態は平行線」と表現したが、これは今回の焦点が「前回くらいのパフォーマンスができるかどうか」(萩原師)の一点に尽きるためだ。前走のラジオNIKKEI杯2歳Sでは、後にきさらぎ賞を圧勝するリーチザクラウンを完封。それさえ再現できれば、負けることは考えられない。
「いつも言うように、自分との戦い。ロジユニヴァースとボクがうまく走れれば、結果はついてくるでしょう」
2歳チャンプのセイウンワンダーも、その他の重賞ウイナーも関係ない。ノリは自然体で愛馬の力を引き出すことに集中する。無敗で弥生賞を勝つことができれば、歴史的名馬への道のりは約束されたようなもの。圧巻の追い切りを披露したロジユニヴァースが、クラシック制覇に王手をかける。
By サンスポ
春を告げるクラシック・トライアルに牡、牝2歳チャンプが登場――その追い切りが4日、美浦、栗東トレセンで行われた。「第46回弥生賞」のセイウンワンダーは意欲的な併せ馬を消化。馬場が悪い中、いっぱいに追われて併入し、好発進を決める態勢を整えた。
2歳王者セイウンワンダーについて「調教では馬場が悪いと動かんから」と領家師は事前にクギを刺していた。併せ馬のジェントルフォーク(4歳1600万)を5馬身追いかける形からスタート。3、4コーナーで一気に差を詰め、直線は馬体を並べたが、ステッキが飛んでも突き放せなかった。ゴールでは同時入線。
欲を言えば先着フィニッシュなのだろうが、トレーナーは「オーケー、オーケー!」と予想を裏切る動きに笑顔で合格点のジャッジを下した。前走・朝日杯FSは制したものの、レース前は左前脚が蹄球炎となり、乗りだしが遅れて思い通りの調整ではなかった。それに比べれば今回の調整過程は雲泥の差。厩舎に置いて調教を続け、青写真通りの仕上がりとあって領家師も表情が自然と緩んでくる。
「道悪も輸送競馬も経験済み。レース運びも上手だし、心配な点は何もないな」と事もなげに言い放った。
手綱を取った服部助手は「ラスト重点という指示。本番は次ですから、いくらか体に余裕はあるけど、首を低くして走れるようになった。Eコースのラチ沿いを歩かせて(スタンド前発走の)イレ込みの対策もしている。納得のいく仕上げに持ってこられた」と胸を張るほど万全の態勢が整ったようだ。好メンバーがそろったここで2歳王者が結果を出せば、自然とクラシックの冠が見えてくる。
By スポニチ
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